マインドフルネスとは?
終息の見えない戦争やウイルスの脅威。不安や恐れというストレスを抱えている人が増えています。
それでなくても、私たちの日々は目まぐるしく、過度な情報に振り回されています。心配事や不安な気持ち、後悔、仕事のこと、子育てに介護、他人からどう見られているか等々・・・を絶え間なく考えているものです。マインドフルネスは、そんな毎日の生活にあっても、心を穏やかに過ごしたいと願う私たちの支えになってくれるものです。
マインドフルネスでは、過ぎてしまった過去の事でも、まだ本当に起きるかわからない未来の事でもなく、「今この瞬間」「ありのままの体験」だけに集中します。
今この瞬間に経験している考えや感情、身体感覚に注意深く気づき、評価したり判断したりせず、ありのままを受け入れられる心の態度をマインドフルネスといいます。
マインドフルネスの実践を重ねることで、不安やストレスに押しつぶされている状態から解放されて心身が整ったり、余計な雑念が消えて集中力が高まったりする効果が科学的に実証されています。不安やストレスを感じると活動が活発になる扁桃体の反応を穏やかにし、海馬(短期記憶)や前頭前野部(学習・思いやり・ひらめき・理性など)が活性化し、ストレス軽減や能力の向上が見られることもわかっています。
また、日常生活の中でも、日々の出来事に対してより優しく、判断をせずに受け入れる心が育ちます。
それはすなわち、自分自身だけでなく、他人に対しても思いやりを持って、先入観や思い込みを持たずに接する力を養うことにつながります。
複雑で困難な社会状況にある今、マインドフルネスの力が求められているのです。
ℚ、ⅯBSRにはどんな効果があるの?
”ストレスな局面に接したときの対処法”を身につけることを目指します。生きる上でストレスをすべて取り除くことは不可能です。環境を変えられなくても、関わり方を変えることや、対応の選択肢を持つことはできます。
自分の考え方やものの見方、行動には、無意識の傾向があります。自分自身の考えや感情、身体の感覚に気づくことが出来れば、自動的な「反応」行動ではなく、より良い「対処・対策」の行動に変化させることも可能です。特にMBSRではその力を養うことを目的としています。
また、マインドフルネスの実践の「副産物」として、集中力が身についたり、ひらめきやアイディアが生まれたりすることもわかっています。スポーツ界のトッププレイヤーや企業のリーダー層が取り入れていることも知られています。
ℚ、MBSRやマインドフルネスでは瞑想をするというけど、何か宗教と関係があるの?怪しくないの?
開発者であるJon Kabat-Zinn博士は、自身が仏教の指導者に修行法と教理を学んだ禅の実践者でした。自分が禅(瞑想)の効果を実感したことから、患者の治療にも用いるようになったことがマインドフルネスのスタートです。ですから、その背景にある仏教の思想を否定することはできません。
しかし、禅をもとにしていても、完全に宗教色を排したプログラムです。マインドフルネス・MBSRにおける瞑想は、無心や雑念を無くすために行うものではありません。瞑想はツールの一つです。「今、自分の意識がどこへ向いているのか」「今、自分が何を感じ、何を考えているのか」に一瞬一瞬気づくために行うのです。
ℚ、MBSRを受講したいけれど、毎日45分の瞑想練習の時間が取れるかな・・・
そうですね。よくうかがう質問です。毎日やることがいっぱいで、自分の好きなように時間が取れない!という現実的な問題を抱えながら受講する方もいます。
まず、練習のために45分を確保することで生じる「感情」や「思考」に”気づく”こと、そのこと自体がマインドフルネスの力を養うことになります。また、時間を自分自身のために使えているのか、と考えるきっかけになるかもしれません。
さて、もちろん練習のための時間を継続して取れることが望ましいのですが、どうしてもやむを得ない日には、時間を分散して実践するのはいかがでしょうか。例えば少しだけ早起きして15分。お昼ご飯の後に15分。就寝前に15分。もしかすると、その方法は生活のメリハリやリフレッシュになるかもしれません。
また、マインドフルネス・MBSRの練習が深まると、歯磨きをしている時間や通勤電車の乗車時間が瞑想の時間になるなど、生活の中で自然に行えるようになるでしょう。
MBSR
マインドフルネス
ストレス低減法って?
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マインドフルネスストレス低減法:Mindfulness Based Stress Reduction
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1979年にマサチューセッツ大学メディカルセンターJon Kabat-Zinn博士とその同僚によって開発
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慢性的な痛みや慢性的なストレスに対処するためのプログラム
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科学的・医学的に効果が実証され、世界中に広まっている
どんなことを学ぶの?
・ストレスについて
・ストレスへの対処
・「痛み」や「不快さ」「困難」との関わり方
・人間関係
・自分自身への向き合い方
・セルフケア
日々の生活の中で出会う様々なことに、しなやかに
対処する力を育てます
どう学んでいくの?
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毎週1回のクラス(2.5時間)出席
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終日プラクティスデー(集中練習日)出席
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毎日45分~1時間のホームワーク・練習
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早朝瞑想会やヨガレッスン(希望者)によるサポート
ゆっくり、でも一歩ずつ一歩ずつ
MBSR受講者の声
1
週に一度のクラスで、オンライン上とはいえ会話やシェアしあえることが楽しみになっていた。
素直な気持ちで、何を言っても大丈夫なんだという安心感があり、「良い人」でいる必要が無かった。
スペースを置くことは出来るようになったと思う。気づけることで少し楽になっている。 「ああ、あなたはそうなんですね」と、自分や相手を客観的に眺められるようになった。
2
毎日のホームワークがあると聞き少し心配田だったけれど、これまで何となく過ごしていた時間を当てるなど、かえって時間を有効に使えることに気づけた。
薄々知っていたが自分の思い込みを言語化できた。
間を取り、冷静に客観的に出来事を捉えて、自分を助けることが出来る。
自分を豊かにするものは、今も周りにたくさんあると気づけた。
3
おりんの音が好きで聴けるのが嬉しかった。その音とともに座ると身体や頭が軽くなる感覚を味わえた。
オンラインで受講したことで、遠方の方とも時間を共有できたことも良かった。1人でする以上に、みんなと一緒にやることに喜びが感じられた。
難しいと感じたことは、感情や思考や身体感覚にしっかりつながって「気づける」こと。8週間繰り返すことで、頭で理解するというより実感でわかってくるようになった。
マインドフルネスは継続が大切です
マインドフルネスの力を養いましょう
マインドフルネスのワークショップ
一緒に学ぶ仲間の存在が助けになります
マインドフルネスの練習では、自分自身と向き合い、自分自身の体験を大切にします。それでも一人で練習を続けるのは、少し難しいものです。共に学ぶ仲間と瞑想やムーブメントの体験をシェアしあうことで、共感を感じ合い、助け合うことが出来ます。自分一人ではないと実感できるかもしれません。
ワークショップでは、瞑想によって健やかなで幸せな生活を導く方法を仲間と探検します。心を開き、安心して過ごせる時間を皆で作ってゆくのです。
リトリート
日常から離れて過ごす1日
例えオンラインであっても、遠くに行けなくても、リトリートの体験は特別なものとなるでしょう。
インターネットやスマートフォン、テレビ、手帳などには1日休んでもらいましょう。
その日だけは周りの方にお願いをして、部屋で静かな時間を作ります。身の回りを片付けて、気になる物は目に触れないところに置いて・・・。
リトリートを体験したあと、どのような変化が訪れるでしょうか。